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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第39章 裂けかけていた糸■


リヴァイがこのまま私と共に沈もうと掴んできたのなら…

そうなるくらいなら、絶対に私から引き剥がそう。

あなたを道ずれにするわけには行かない。


私はとても弱い人間だから

正直言えば、

一緒に来てほしいって…言いたい…


でも、それだけは1番言ってはいけない。

優しすぎるあなたは確実に
私を掴んで離さないだろうから


だからお願い。
私だけ溺れ沈ませてほしい。





でも、それでも、
顔を見たくて、声が聞きたくて、触れたくて
堪らない。

いつ、どんなときだってそうだ。



何を話そうかなんて決まっていない。
何をどう話していいのかも分からない。


それでもただただ会いたくて堪らないのだ。



拒絶されてもいい。
許してもらえなくても。

いっそのこと、突き放された方が楽かもしれない。

それでもとにかく、
その姿を見たい。

一目でもいいから…




急いでドアノブに手をかけ、扉を開くと、
一目散に医務室に向かって廊下を駆け出した。



重い
きっともう限界なんだと分かる。


決して軽くはならなくて、
心の中に溜め込んできたものがパンパンに膨れ上がって、
その箱の蓋は今にも爆発寸前で、
いつしかそれが重すぎる重荷になっていて
そして自分を沈め続けている。


重くて重くて限界で足がもつれそうなのに…
それでも走り続ける。






曲がり角を曲がった瞬間




「わっ…!!」



勢いよく誰かにぶつかり、尻もちを着いてしまった。



ぶつかった額に手を置きながら、謝ろうとしてよろりと立ち上がろうとした時、


なぜだか視界が閉ざされ、また尻もちを着く。


だんだんと、目の前の人の腕の中にいるのだと理解できてきた。


そしてこの香りと、
この筋肉の硬さと
この体温と
この心音と
この息遣いと
頬に当たる髪の柔らかさと
背中に回された骨ばった指と手

なにより包まれるこの安心感と心地良さ、


何も見えなくても分かる…



これは間違いなく…



「リヴァイ…」


絞り出すのもやっとなほど、
小さく掠れた声が出てしまった。
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