Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第39章 裂けかけていた糸■
ハンジが帰ったあと、ルーナは急いでシャワーを浴びた。
これでもかというほど中を洗浄したが、心の中の違和感だけは残ったままだ。
ルーナは今まで、掃除をする度に思ってきたことがある。
心も掃除ができたらいいのに…と。
そしたら、一掃したい汚れがたくさんある。
もしかしたら一生かけても終わらない気がするが、それでも少しでも心の穢れがとれて、軽くなるのなら、その掃除はどうしてもやり続けたい。
胸糞悪いほどの違和感と絶望感をそのままに手早く着替えた。
急いでリヴァイのもとへ行き、謝りたい。
もしもまだ目覚めていなかったら、目を開けるまでずっと傍についていたい。
リヴァイが過呼吸を起こしたのはこれが初めてではないと、ハンジは言っていた。
全部自分のせいだと分かっている。
その上、他の男と情事に溺れるという最悪すぎる失態を犯してしまった。
本来ならば、合わせる顔すらないだろう。
どうしようもなく愚かで、救いようのないくらい価値のない自分に成り下がった。
普通の男ならば完全に見放されているはずだ。
リヴァイは自他ともに認める異常な男…
けれどルーナにとっては普通の男だ。
なんなら、普通の男よりも繊細で脆くて…
だからこそ自分が支えたいと思っていた。
それなのに…
自分がどん底へ落ち、底へとリヴァイを引きずり込もうとしている。
リヴァイは優しいから、
優しすぎるから、
きっと一緒に落ちてきてくれるだろう。
どんなにリヴァイだけ押し上げようともがいても、
掴まれ、包み込まれ、離してはくれないだろう。
そしてそのままどんどんと奥深くへ沈んでいってしまう。
私は泣けないから、涙が出ないから、
だからただ自分の中にだけ発散できないたくさんの感情が蠢き暴れ回り、そして自分自身をも蝕むようになっていた。
そしてそれが重りとなって、
いつのまにか深く深くまで沈んでいっていた。
この重りを少しでも軽くしたくても、
自分にはずっと溜め込んできたこの重さを手放せる手段がない。