Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第38章 溺れて沈む
「ルーナは昔から、俺よりも好奇心旺盛でな、俺が止めるのも聞かず、どんなに危険な道でも1人で進んで行ってしまっていた。それをいつも俺が必死になって追いかけて…あんなに可愛らしい顔をしていても、中身は俺よりも男らしい奴だった。」
そう言って紅茶に口をつけると、それに釣られたようにリヴァイも紅茶を啜った。
「あまりにも無鉄砲すぎるあいつを何度も止める俺に、ある日こう言ってきたんだ。
この先に何があるかも分からないのに一体何に怖がっているんだ、と。そして、男のくせに弱虫!とも言われたよ。」
リヴァイの顔が緩み、口角が僅かに上がっているのを見てエルヴィンは笑みを浮かべたまま話を続ける。
「ルーナはとにかくいつでも天真爛漫で破天荒で、負けず嫌いで諦めるということを知らないような奴だった。思えばあいつは…俺よりも博打の才能があったかもしれないな…」
リヴァイがようやくフッと笑って口を開いた。
「てめぇには博打の才能があるとは言えねぇだろ。ただの博打打ちだ。今はな…」
その通りだな…そう言ってエルヴィンが笑う。
「とにかくルーナは、お前に出会うまでずっとそんな感じだったよ。そしてお前に出会って、お前の隣で歩を進めるようになってからは変わった。まるで今では別人のようだ…」
その言葉に、リヴァイの笑みが消えていく。
「悪い意味で言っているのではないぞリヴァイ。俺はそんな普通の女らしくなっていくルーナにどこか安堵していた。お前に出会ってから、たくさん笑い無邪気な笑顔でお前のことを語るあいつに…」
「だが俺は今…そんなあいつの重荷になっている気がする…俺はどうもあいつの前だと理性よりも感情のほうが勝っちまうみてぇだ…」
リヴァイが目を細めて弱々しく言った。