Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第38章 溺れて沈む
「ルーナと何かあったのか?」
カップを見つめたまま動かなくなったリヴァイに、エルヴィンは冷静な声色で問う。
「…なぜだ」
「このような事態になったからに決まっているだろう。」
二人の間に何かあったことをもう悟っているかのような鋭い視線で投げかけられ、リヴァイは目を逸らす。
「俺もあいつも…互いを知りてぇと思ってする行動がいつも、なぜか悪夢を引き寄せるんだ」
「…それで?」
「それで…俺もあいつも溺れて、…沈んでいく…」
エルヴィンは真っ直ぐとリヴァイを見つめると、真剣な顔をして言った。
「なぜ一緒になって沈んでいく?」
リヴァイは視線を床に落としたまま口を噤んでいる。
「お前の役目は、ルーナがどんなに深くに沈んだとしても、そこから引っ張りあげることだろう」
リヴァイの瞳が僅かに揺らぐ。
ランプの炎のせいではないとエルヴィンは思った。
「でないと俺が、2人の背を押していってやれないだろう」
「・・・」
「俺は以前にも言ったはずだ。幼い頃からいつも前へ前へと行ってしまうルーナの隣をいつか、一緒に進んでいってくれる者が現れてくれることを祈っていた。」
エルヴィンの一人称が"俺"になっていることに気がつき、リヴァイがゆっくりと顔を上げる。
そこにはジィっと真っ直ぐ真剣な眼差しでこちらを見ている男がいる。
「そんな者が現れたなら、俺がその2人を後ろから支え、そして時には押して俺も歩んでいく…それが俺の幼い頃からのもう1つの夢だった」
リヴァイの眉が僅かに下がり始めるのが見て取れて、エルヴィンは表情を柔らかくし、そして静かに話し出した。