Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第38章 溺れて沈む
そして静かに耳元で声を出す。
「ルーナ…水銀避妊薬がある。…もしかしたら後遺症で子供を授かりづらい体になってしまう可能性もあるけど…君はどうする」
ハンジの言葉にルーナは瞬時に首を横に振る。
そんなルーナを引き剥がし、驚いたような顔で真っ直ぐ見つめるハンジ。
「ちょ…っとルーナ…本気…なの?」
てっきりルーナは迷わず避妊薬を飲むと思っていた。
しかしルーナは首を縦には振らなかった。
しかも、一瞬も迷うことなく。
「ハンジ…あのね…」
次の言葉でハンジは驚愕しすぎて思わず口に手を当てた。
なんってことだ…
リヴァイとの子を妊娠しているかもしれない?!
そして堕ろさずに産むともう既に決心していると…
でも…
でもそれは…
もしも本当に妊娠していることが分かったら…
「今回のことで、クラム君との子供って可能性にもなってしまう。ルーナ…それ分かって言ってるの?」
ルーナは奥歯をかみ締めながらうつむき、小さくうなずいた。
ハンジはもう頭の中が霧に包まれていくように真っ白になりつつあった。
しかし最後の理性を振り絞るように言う。
「わかったよ…君の体のことだ、君の問題でもあるし、君の自由にしたらいい。でも…私の事は頼ってくれよ。なんでも言ってくれ、ルーナ。」
「…ハンジ…ごめん…ありがとう…」
俯いたまま小さくそう言うと、冷たく小さな手をハンジの手の上に置いた。