Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第38章 溺れて沈む
ハンジが淡々と話す言葉の一つ一つが、ルーナの心に1本1本針を刺していく。
聞き終わった頃にはもう胸が限界なほど痛くなっており息が上手く吸えないほどに呼吸が苦しくなっていた。
「ここの片付けは私と部下たちでやっておいたよ。ちょっと血の跡が残っちゃったけど…」
え…
リヴァイが掃除したのではなくて?
ルーナの顔が焦りだす。
「リ…リヴァイは?リヴァイはどこ?!」
突然声を大きくしたルーナにハンジは苦い顔をする。
「ルーナ、ここまでの話を理解できたならちゃんと最後まで言うけど…
リヴァイはね、さっき過呼吸で倒れたんだ。今は医務室で眠ってるよ」
ルーナの瞳が大きく見開かれる。
そして裸のままベッドから抜け出し立ち上がるルーナの腕を急いでハンジが掴む。
「ルーナまった。彼にはエルヴィンがついてるから大丈夫だ。今は君の身体の状態が知りたい」
座るんだ。そう厳しい目つきで言われ、ルーナは息を荒らげながらそのままベッドに腰を下ろす。
「今の君は、薬は抜けてる感じかな?」
「多分…ちょっとだるい…けど…」
ハンジは少し安堵したような表情をしてルーナの隣に座り、シーツを肩にかける。
それで体を隠すようにしてルーナが自身を包み込んだ。
「ね、ルーナ、クラム君に…他にどんなことされた?
酷いこととかされてない?体を傷つけるようなこととか…」
その言葉に、ルーナの鼓動がピクリと跳ね上がる。
体中が脈になったみたいにどくどくと振動がする。
思い出してしまった。
私はあのとき・・・
「な、なか…に…」
その先は唇が震えすぎていて声が出せなかった。
しかしその消え入るように小さな声はハンジには聞こえたようだ。
ハンジの顔がみるみる強ばり出す。
そしてキツくルーナの体を抱き締めた。