Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第38章 溺れて沈む
とは言っても、やはり自分のものを汚されたショックは大きすぎた。
まるで心臓の一部が抉られ握り潰されたかのような感覚にさえなる。
リヴァイは先程から死に物狂いで耐えていた怒りと虚しさと絶望が限界だった。
「ちょ…リヴァイ?!」
はぁはぁと息を荒くし、顔を歪めて胸元を掴んでいる苦しそうなリヴァイにハンジの顔もみるみる焦りの表情になる。
「は…ぁ…く…ぁ…はぁ…あ…」
「リヴァイ!リヴァイ!」
背中を擦りひたすら自分を呼ぶハンジの声が遠のいていく。
俺は…
あいつの一部なんだ
あいつも…
俺の一部なんだ
だから誰も触れないでくれ
穢さないでくれ
頼むから誰も…
近寄らないでくれ…
心の叫びは雪崩のごとく流れ込んできた洪水に飲み込まれるようにして自分ごと消えていった。
最後に浮かんだのは自分の隣で笑っているルーナの笑顔だった。