Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第37章 エゴイスト■
「だが俺は知り続けたいと思ってる。だから手離したくない。こいつだけは…」
知り続ければ、失い続ける気がする。
知れば知るほど恐怖が増えていく。
掌が重くなればなるほどそうなって、
そして軽くなればなるほどまた怖くなる。
このジレンマはいつまでも解決しないだろう。
それでも知りたいと思うのは
紛れもなく目の前の人を愛しているからで、
そして自分だけのために存在する者なのだと
そう思いたいからで、
「クラム、お前の気持ちを理解しようと必死な奴は他にいる。そういう奴をまずは大切にしろ。…ルーナはお前の気持ちを理解していない。」
クラムが奥歯をかみ締めて黙り込む。
「こいつはいつだって、お前ではなく俺の気持ちを理解しようとしかしていない」
その言葉に、クラムの鼓動が早くなる。
ずっとルーナはリヴァイの名前を呼び続けていた。
どんなに激しく自分が愛を注いでも…
ひたすらその名前を…
まるで自分など見ていないように。
そして自分にしていたキスも、本当はリヴァイの気持ちを理解しようとするためだけのものだったとしたら?
「…なんで…あなたなんかを…ルーナさんは…」
「人を好きになる理由にいちいち意味は無い。
そんなことよりお前は…どうすればこいつを諦めてくれる?」
その言葉に、くくく…と笑いをこぼすクラム。
「さぁ…俺が死ぬまでですかね。メリッサが死んでリヴァイ兵長を諦めたようにね…」
リヴァイの眉がぴくりと上がり、そのままつり上がっていく。
「どうします?俺を今すぐ殺しますか?」
「…あぁ。そうさせてもらう」
リヴァイはクラムを掴んで壁へ押しやると、腰からナイフを取り出した。
逆手で持って首元へ突きつける。