Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第37章 エゴイスト■
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視線が交わったのと同時に、瞬時にリヴァイがクラムの胸ぐらを掴む。
クラムは冷静沈着な態度のまま冷たい視線をリヴァイに落とす。
ホントに小さいなこの人…
理性を取り戻してはいるが、
なぜかそんなことを思ってしまった。
ぐいぐいと凄い力で押され、部屋の中へと押し込まれる。
そのまま床に転がされ、恐ろしい程見開かれた眼光に見下ろされる状態となった。
「うっ!!」
リヴァイがクラムの腹を踏みつけた。
足を置いたその状態のままベッドにいるルーナの方へ視線だけ流す。
ルーナはぐったりと布団に包まれているように見えるが全身で息をしていて顔が赤く汗をかいている。
意識があるのかないのかわからないが、口をパクパクと開き何かを呟いているように見える。
リヴァイは再度、自分の下にいるクラムに視線を移すと、ようやく初めて口を開いた。
「てめぇ…俺の妻に何してくれてんだ?」
「…は、何っ」
「覚えているか?このセリフは2回目だ。」
クラムがルーナを襲ったのだと勘違いされたあの時だ。
そしてあの時、この部屋に初めて入った。
クラムの鋭く睨む視線に呼応してリヴァイの足が喉まで登る。
グッと首を潰すように喉元を踏まれ、クラムはその足を両手で持ちながら顔を歪めるが、ビクともしない。
「俺に2回もこのセリフを吐かせるとは…さすがいい度胸をしてるよな…クソガキ………」
グググ…
「ぐっぅ……」
「そういえば…あの時俺はこうも言ったよな…
"お前を殺しちまわなくてよかった" と…。訂正させてくれ」
思いついたような冷淡で静かな声が降ってくる。
見下ろしてくるその目は冷徹な光を帯びて見開かれている。
「あの時やはり、"お前を殺しておけばよかった"
…となぁっ!」
「ぐはぁっ!!」
喉元から足が離れたかと思えば思い切り脇腹を蹴りあげられ、呻き声を上げる。
「なぁ…そうは思わねぇか?…ルーナよ…」
ルーナの方に視線だけ向けて言うが、ルーナの目は閉じかかっていて、まだ何かを呟いている。
しかしそれは何を言っているのかほぼ聞こえない。
「だがな…浮気は気付かれねぇようにするもんだろ?違うか?」
クラムは脇腹を抑えたままよろよろと立ち上がった。
腹筋に力を入れていたおかげか、呼吸はかろうじてできる。