• テキストサイズ

Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第37章 エゴイスト■


「お前は…サラのことを愛しているよな」

「はい…」

「どんな風に愛している?」


リヴァイからの思いもよらない問いかけに、少し言葉に詰まるカイル。
そんなことはあまり考えたことも言葉にしたこともない。
しかしあまりにも真剣な目をして問われるので、その視線から逸らすように俯いて考え込んだ。


「…大切に、しているつもりです。心も…体も…」


「そうか……。大切にすることが愛することとイコールなら、俺はルーナを愛していないかもしれん…」


「…え?それはどういう…」


カイルのその言葉には、リヴァイは何も答えなかった。


「そんな風に愛しているはずの恋人が、自分の元から離れそうになったら、お前はどうする」


「・・・引き止めて、それでもダメなら追いかけます多分。…俺は諦めが悪いので。」


「それでも別の男の元へ行ったらどうする」


ドクンと鼓動が跳ねる。
それだけは絶対に嫌だ、考えたくもない事だ。

しかしもしも、そんなことがあったなら…



「…取り返す…かな…どうにかして…」


以前、リヴァイに恋をしていたサラを自分のものにしたのは事実だ。
そのときは、とにかく諦めなかった自分がいる。
だからこそ、相手に自分のその愛が伝わったのではないかと。


「俺は…取り返すよりも、その前にいっそ
壊して、握り潰して、一生自分だけのものにしておきてぇと思うんだ」


カイルはなんとなくそれは分かる気がした。
好きで好きでたまらない相手を、自分のものだけにしておきたいという想いは誰にでもあるはずだ。

それでもその人が違う奴の所へ行ってしまったら?

その前にどうにかして閉じ込めたいと。

それが独占的な執着から生まれるエゴだったとしても、
それでもそうして自分に留めさせておきたい気持ちは分かる。



「だからもしも…あいつが誰かに触れられたり、愛を囁かれたり、誰かのものになっちまうくらいなら……
俺がこの手で……あいつを……」


こ・・・?


カイルはその3文字が頭に思い浮かんでしまった。

そして隣で手のひらを見つめている男に初めて恐怖する。

そして同時に思った。


万が一のことがあったら…
クラムだけでなく、ルーナさんまで……と。
/ 1213ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp