Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第37章 エゴイスト■
「お前は…サラのことを愛しているよな」
「はい…」
「どんな風に愛している?」
リヴァイからの思いもよらない問いかけに、少し言葉に詰まるカイル。
そんなことはあまり考えたことも言葉にしたこともない。
しかしあまりにも真剣な目をして問われるので、その視線から逸らすように俯いて考え込んだ。
「…大切に、しているつもりです。心も…体も…」
「そうか……。大切にすることが愛することとイコールなら、俺はルーナを愛していないかもしれん…」
「…え?それはどういう…」
カイルのその言葉には、リヴァイは何も答えなかった。
「そんな風に愛しているはずの恋人が、自分の元から離れそうになったら、お前はどうする」
「・・・引き止めて、それでもダメなら追いかけます多分。…俺は諦めが悪いので。」
「それでも別の男の元へ行ったらどうする」
ドクンと鼓動が跳ねる。
それだけは絶対に嫌だ、考えたくもない事だ。
しかしもしも、そんなことがあったなら…
「…取り返す…かな…どうにかして…」
以前、リヴァイに恋をしていたサラを自分のものにしたのは事実だ。
そのときは、とにかく諦めなかった自分がいる。
だからこそ、相手に自分のその愛が伝わったのではないかと。
「俺は…取り返すよりも、その前にいっそ
壊して、握り潰して、一生自分だけのものにしておきてぇと思うんだ」
カイルはなんとなくそれは分かる気がした。
好きで好きでたまらない相手を、自分のものだけにしておきたいという想いは誰にでもあるはずだ。
それでもその人が違う奴の所へ行ってしまったら?
その前にどうにかして閉じ込めたいと。
それが独占的な執着から生まれるエゴだったとしても、
それでもそうして自分に留めさせておきたい気持ちは分かる。
「だからもしも…あいつが誰かに触れられたり、愛を囁かれたり、誰かのものになっちまうくらいなら……
俺がこの手で……あいつを……」
こ・・・?
カイルはその3文字が頭に思い浮かんでしまった。
そして隣で手のひらを見つめている男に初めて恐怖する。
そして同時に思った。
万が一のことがあったら…
クラムだけでなく、ルーナさんまで……と。