Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第37章 エゴイスト■
「考えたく…ないんですよね。ルーナさんがいなかったらなんてことを。」
いや、考えられないと言った方が正しいか…
とカイルは付け加えた。
「その存在がなかったら…なんて考えたら、正気を保てなくなるんですよね。…その存在がいない場合の自分のことを、想像できないことと同じように…」
リヴァイの心に何かがぶつかってきたような、そんな感覚がした。
そしてカイルの言っていることは正しいと頷く他ない。
表情の変わらないリヴァイを見やりながらカイルは続けた。
「俺も同じですから、分かりますよ。けど、…同時にこう思うこともあるんです…」
「?」
「それって、単なる執着心…なのかなって。」
リヴァイの目が僅かに見開かれる。
まさに自分がいつも悩んでいることと全く同じこと
いつも頭に浮かんでは手放そうとしているその単語
「相手に執着すると、なぜ自分が辛くなるのでしょうね…」
カイルの俯いた顔が上がり、遠くを見つめるような視線になる。
「俺はこう思うんですよ、それは…」
次に出る単語はきっと、
自分と同じだと思い、リヴァイは目を細める。
「独占欲とイコールだからなのでは…と…」
執着心と独占欲は、
結局は相手を愛しているのではなく、
もしかしたら自分を愛しているだけということなのかもしれない。
けれど…
「俺にはわからない…ずっとそうだ」
「…え?」
「俺には…境界線がわからない…」
「……きょうか」
「相手を自分だけのものにしておきたいということが独占的な執着であるなら、どこで切り離せば本当に相手のことを愛しているという想いだけになる?」
どうすればそう受け取らせることができる?
どうすれば自分を納得させることができる?
愛とエゴの境界線がわからない。