Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第37章 エゴイスト■
「リヴァイ兵長ってさぁ…なんっかクるもんあんだよな…」
「あぁわかる…いっつも石鹸の匂いさせてるし、紅茶の匂いするときもあるし」
「すげーいい筋肉してるのに、細いし強いしな…」
「いつもの表情には怯むけど、疲れてるような時の表情とかめちゃくちゃ保護欲そそられる感じの…」
「馬鹿。お前に守られなくてもリヴァイ兵長は最強だぞ!」
「わかってるよ!にしても、なんだかんだこうして掃除手伝ってくれるなんて意外に優しいんだな…」
「つーか…お前らってそっち系の男だったのか?」
「おいてめぇら」
ビクッッッ!!!
全員の体が大袈裟なほど跳ね上がった。
雑巾を握りしめながら慌てて振り返ると、心底不機嫌そうな仏頂面のリヴァイがこちらを睨んでいる。
「雑談してる場合か?掃除は終わったんだろうな?」
「あっ…えー、はい!一通りは!」
「一通りという命令はしていないが?俺は荒れる前よりも綺麗に仕上げろと言ったはずだ」
そしてつかつか目の前まで来ると、テーブルの裏にスっと指を滑らせた。
その指を見ながらみるみる険しい顔になっていく。
「チッ。お前らは何をやっていた?」
「・・・」
「どいつもこいつもナメた掃除しやがって。あれだけテーブルの裏側まで拭けと言ったのにな?脳ミソの容量は巨人以下か?」
鋭い三白眼で目を見開かれ、皆息を飲み冷や汗が流れる。
「…もういいからてめぇらはとっとと寝ろ」
「「え?!?!」」
てっきりまだまだ掃除について扱かれるだろうと思っていた兵士たちは驚きの色を隠せない。
「俺一人でしたほうが、半分の時間でこの倍は綺麗にできる。お前らがいても邪魔なだけだ。」
「す…すみません…」
頭を垂れながらも、誰もが考えた。
目の前にいるいつも粗暴で近寄り難い圧倒的存在感を放つリヴァイ兵士長は、実はとても優しい人なのではないか?
と。