Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第37章 エゴイスト■
「私はあなたの元気な姿に、いっぱい助けられてきた。
だからあなたが笑顔を見せられなくなっちゃったら、私だって困るの。あなたには…私みたいに精神が壊れてほしくない。」
あなたは優しいから…
シンに似てとても慈悲深くて優しいから…
「…ーナさん…」
ボヤける地面を見つめたまま泣きながらも、消え入る声を漏らす。
「私覚えてるよ。あの時私を抱き締めてくれたこと。
あの時あなたの腕の中で少しだけ正気を取り戻したの。
すごく暖かくて…安心できた。またすぐにおかしくなって迷惑かけちゃったけど…」
初めてルーナと話したあの日のことをクラムは思い出した。
あの日の夜、シンのことを話した時、正気を失ってナイフを振り回したルーナを抱き竦めたとき。
思えばあの日から、ルーナに惹かれていたんだと気付く。
「その時の仮も返したいの。そしてメリッサを救えなかった私のことも…許してほしい…だから、」
その後の言葉をクラムの唇が塞いだ。
本能のまましてしまったその行動に、クラムは急いで唇を離し、謝ろうとした。
しかしその瞬間、ルーナの方から貪るように唇を奪ってきた。
クラムの心の中で何かが剥がれ落ち、そして力が抜けていき、自然に目が閉じた。
それと共に生暖かい涙が頬を伝っていくのが分かる。
ルーナの手によって包まれた両頬にそれが落ちていく。
もうそこから先は、壁に彼女を押し付けてひたすら目の前の愛する人に貪るような口付けをした。
それをルーナはきちんと受け入れてくれた。
そしてルーナは最後に言ってくれたのだ。
あなたの気持ちが落ち着くまで、私が支えになるから、と。