Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第37章 エゴイスト■
「あなたは本当にルーナさんを愛しているのですよね?愛しているからこそこうして悩み、壁にぶつかって分からなくなったり疑心暗鬼になったりする…それは彼女のことが好きだから。そうですよね?」
「…そのつもりだ」
「ならば、自分の存在で彼女をズルい人間にしてはダメですよね?
相手を甘やかせることは、愛でもなんでもなく、ただ自分が嫌われたくないという保身に過ぎないことになってしまいます」
厳しく鼓膜を劈くその言葉にドクンと鼓動が波打つ。
そこにあるのは…愛ではない。
それこそがエゴ…我欲であると
そうバリスは言いたいのだろうと理解した。
愛するというのは、
ありのままの相手を受け止め、成長を願うこと。
だとすると、
成長を願えないような行為、相手を墜落させてしまうような行いというのは愛情ではないのではないか…
「兵長あなたは…もっと自分を愛するべきだ。
ルーナさんのことを愛する前に、自分自身のことを…」
そんなことは考えたことがなかった。
今まで生きてきて1度も自分を愛そうとしたことなど無い。
「相手を愛するのと同じくらい、自分を愛することも大事ですよ」
そうじゃないと、本当の意味で幸せにはなれない
バリスは最後にそう付け加えた。
誰かを愛すること、自分を愛すること、
それを学ぶために生まれてきたのだとしたら…
ぶつかり続けるこの壁の先に、
本当の幸せがあるのかもしれないと思った。