Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第36章 パラドックス■
「…あのガキに惚れたのか?」
「ちっ違うっ…」
「ならなんだ。欲求不満だったってか?」
「違うよ…」
「てめぇ…さっきから違う違うってそれしか言ってねぇじゃねぇか…きちんと説明してくれなきゃわかんねぇだろ。」
上目遣いで鋭く睨むと、
ルーナは俯いてから、諦めたように肩の力を抜いた。
「…ぅ…だよ…」
「あ?」
「…リヴァイも、分かるでしょ…情、だよ…」
リヴァイの鋭い眼光が一瞬ひくんと見開かれ、鼓動が跳ねる。
「情…だと?」
「そうだよ。だからリヴァイも許してくれるでしょ…私は許したんだから…」
リヴァイの手が離れ、ルーナが解放される。
「情だとしても、お前の方から情熱的なキスをするか?普通…」
「キスってことには変わりないでしょう?リヴァイだって、自分からメリッサにしたんじゃないの?」
睨むように上目遣いで見据えられ、
いつの間にか、自分が責められるような立場になっていることに気づく。
そしてもう1つのことにも気付いた。
やはり自分がメリッサにキスをしたことに、とても傷ついていたのだと。
俯いて、力なく言う。
「・・・そうだな。…お前の言う通りだ…」
「…なら…私のことを責めないでよ…」
ルーナの言うことが至極その通りすぎてもう何も言えなかった。
結局、先に傷つけてしまっていたのは自分だったのだ。
今更後悔したところでもう遅い。
そしてようやく、逆の立場になった今、その時のルーナの気持ちが痛いほど理解できたのだ。
「悪ぃ。仕事の邪魔をしたな…」
それだけ言い残して部屋を出た。