Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第36章 パラドックス■
そこまでたどたどしく話すと、リヴァイの目は見開かれたまま顔色が明らかに悪くなっているのが見て取れてバリスは顔を強ばらせる。
「すっすみません…最後まで後を追えなくて…」
「・・・」
「このことは他の誰も知らないと思います…もちろん他言はしませんし…」
「・・・」
「どうしますか?あのクラムとかいうガキを呼び出しましょうか?」
「・・・」
「へ、兵長…」
「いや、いい。」
ようやくリヴァイが声を出す。
しかしそれは消え入るほど掠れていてバリスは報告してしまったことを少し後悔する。
「報告ご苦労。お前はもう仕事に戻っていい。」
リヴァイは冷静な声といつもの顔に戻っている。
「えっ…でもっ、ど、どうするのですか?」
「・・・お前は普段通りにしろ。何も見なかったことにしておけ」
何かあったらまた知らせろ、
そうつけ加えるとリヴァイはまた紅茶を啜りだした。
しかしその手は小刻みに震えているのが分かり、バリスはもう何も言えなくなった。