Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第36章 パラドックス■
一見するとなんでもない普段通りの日常のようにも思う。
あの悲劇の日から4日経った。
しかしルーナの精神状態はやはり乱れてきていた。
それに一番に気がついたのはもちろんリヴァイだったが、エルヴィンも同様だった。
「あの兵士のおかげで私たちは大切なものを失わずに済んだ。そして雷槍の分析整備もより一層慎重になったわけだ。1人の犠牲のおかげで私たちはこれからの未来を切り開くことができる。だからいつまでもくよくよするのはやめるんだ、ルーナ」
「・・・わかってる」
明らかに以前より生気が抜けたようになり、食事も喉を通らないと言ってやつれているようなルーナを少しでも再起させるために言った言葉だった。
しかしそのあとに、仕事途中で書類を纏めていたルーナが気を失いソファーから崩れ落ちた。
こういう時、体は小さくても、人間1人を片腕だけで抱えるのはとても苦労すると思ってしまう。
このままルーナを抱きかかえてリヴァイの部屋に行こうかとも考えたが、いないかもしれないことを想定すると、無駄にうろうろしてしまうことになる。
そしてやはりあまり人目につきたくないからここに寝かせておこうという結論に至る。
なんとかベッドに寝かせ、次に目覚めた時のルーナの状況を考えて、注射薬を打っておこうかどうしようかと迷っていたとき、ノックの音が聞こえた。
ノック…ということは確実にリヴァイではない。
扉を開けると神妙な面持ちのハンジが立っていた。
「どうした?」
「エルヴィンあのさ、ルーナのことなんだけど、近頃どうもまた様子がおかしいからさ…心配で部屋行ったんだけどいなくて、でさ、」
「あぁルーナならここにいる。そっちの部屋だ」
「え!ほんとに?!」
ハンジは急いでエルヴィンの寝室の扉に駆け寄った。