Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第35章 心臓の一部
「お前がガキを産めなくても本当に愛してくれる奴なんていくらでもいたはずだ…そうやって自分は楽だからとかなんとか言って自分自身を差し出して、ヤらせて、満足させて、それでお前も満足した気になって…そのあとお前に残るものはなんだ?」
「・・・」
「傷以外に何が残る?」
メリッサは目を閉じたままだ。
「なぁ…」
リヴァイが手を握り返す。
「答えろよ…」
ゆっくりと目を開けると、眉をひそめて懇願するような、虚しいような悲しいような、悔しいような切ないような、なんとも言えない顔で自分を覗き込んでいるリヴァイがいる。
「切なくなります…」
「そうだろ…」
「違う。あなたを見ていると…いつも切なくなる…」
「・・・あ?」
メリッサが苦しそうに息を吸い込むのがわかり、リヴァイの顔が歪む。
「どうしてかな…わからない…兵長のこと会った時からずっと目で追ってきたけど…なぜがいつも…ここが苦しくなる…あなたを見てると…」
自分の心臓の上で握られているリヴァイの手をまたギュッと握り返す。
そして生気の篭っていないような目で真っ直ぐとリヴァイの瞳を捉える。
「私の身体がこんなだから、兵長にずっと前から恋をしていても…何も行動できなかった。迷ってましたずっと…自分に女としての価値がないと、分かっていたから…だから…とても価値のあるあなたにはこんな私に…触れさせていいものかと…」
「メリッサ、馬鹿なことを言うな。お前には価値がある。その価値は俺と何も変わらねぇ。」
その言葉にはメリッサは無反応だった。
そして話を繋げていく。
「でもやっぱり思いたってあなたに迫ったのは…あなたのその表情がどんどん濃くなっていくのがわかったからですよ…
それはルーナさんのせいなんだと…気付いてから…私は……ん…くはっ…」
一気にそこまで言うと、苦しそうに息を途絶えさせるメリッサの顔に近づき、頭を撫でる。
「わかったからもう喋るな」
「ちが…っ…まだ…言いたいことが…っう…」
優しく頭を撫でられ、頬を撫でられ、思わずこのまま目を閉じてしまいそうになる。
暗闇に、引きずり込まれていく感覚がする。
でもあなたにまだ言いたいことがある。言ってないことが、ある。
その一心だけで私の心臓はまだ動いている。
だから
聞いてほしい。
メリッサはまた大きく息を吸った。