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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第35章 心臓の一部


「っ…地下に…いるんですっ…まだ子供たちが…」

リヴァイの藍色の瞳が揺れ動く。

「その子たちからいつも…そういう薬をっ…だからっ…ぐ…」

「わかった。もういい、心配するな。俺が保護しにいくから」

「とても可哀想なんです…私なんか…よりっ…皆価値が…ある…」

リヴァイを握っていたメリッサの手の力が抜けていくのがわかり、急いで握り返す。

「へい…ちょ…私…最後に一つだけ…正しいことが出来ました…よね…」

とても小さく掠れた声。
じっと耳を澄まさなければ聞こえないようなその声は明らかに何かに吸い取られていた。

「あなたという男性を…救えた…命を…賭けて…」

「あぁ。」

「これは…愛でしょう?…正しい救い方だった…でしょう?」

「…あぁ」

「私だって…あなたの心臓の…ほんの一部にくらいはなれた…でしょう?」

虚ろな目の色が失われていき、手が冷たくなっていく。


「ください…その証拠を…最期に…」


その声は何かに飲み込まれるように消えていった。

ついに全く動かなくなったその唇。

リヴァイはそっと触れるようなキスを落とした。

しかしそれはもうすでに温かさはなく、固く閉ざされていた。

…間に合わなかった。
ただ魂の抜けた死人の肉体にキスをしただけだった。
そう思った。

しかし唇を離すと、半開きの目からは涙が流れ落ちていた。
そっと指で拭うとその涙は温かい。

「メリッサ…」

そっとその目を閉じさせる。

「お前は間違ってなかった。それを俺がこれから証明していく…」

お前が俺に捧げたこの心臓を、
俺がこれからも生き抜いて、世界を変えて、お前が残したもの全て受け継ぐ。

「だからなにも心配するな………見ててくれ…」
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