Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第35章 心臓の一部
「メリッサ…」
「リヴァイ…兵長…来てくださったんですね…」
リヴァイはベッドの隣に腰掛けた。
「無理に喋らなくていい。お前が眠るまでちゃんと俺はここにいる」
「兵長…ありがとう…ございます」
力なくそう言ったメリッサの前髪を横に流してやると、僅かに嬉しそうな顔をした。
「お前…なぜ俺を庇った。あんな無茶は俺は許可してない」
「ふ…兵長が言ったんじゃないですか。正しい愛の意味を…これで私があなたに…恋ではなくて愛していたってこと…ちゃんと証明できました…よね…」
リヴァイがため息ひとつ吐いてハンカチを取りだし、メリッサの額の汗を拭った。
「許してくれメリッサ。お前のことを守ってやれなかった…」
「訓練のとき…たくさん守ってもらったので…もう充分です」
そう言ってメリッサは苦しそうな笑みを浮かべた。
明らかに顔色も悪く目も虚ろで声が掠れている。
「・・・お前本当にもう喋るな。呼吸するのも苦しいだろ」
「聞いてください。話したいことが…たくさんあるんです…全部話せるかは分からないけど…口の感覚がある…今のうちに…」
リヴァイはギリギリまで近くにより、そのか細い声を一語も逃すまいと耳を澄ませた。
「なんだ。」
「私…実は…妊娠できない体なんです…」
リヴァイの目が見開かれる。
メリッサはその瞳を眉を顰めてしっかりと捉えている。
「だから兵士になったんです…どうせ誰かに愛され子供を授かるなんてこと…ないだろうから…」
「・・・」
なんと言っていいのか分からず言葉につまる。
「私…訓練兵時代からずっと…いろんな人に身体を開いてきたんです…もしかしたらこの人とならって、試したいという気持ちもありました…でも…本当はただ、寂しかっただけで…どうして私だけって…やるせなさや悔しさ、暴れる心を沈めるために…たくさんの人と…けどそれで私も救われてて…満足でした…」
訝しげに目を細めるリヴァイをチラと見てから笑って続けた。
「どうせ妊娠しないんだから…男性は中に出せて楽だし悦ばせられるでしょう?」