Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第35章 心臓の一部
3人が戻ったあと、リヴァイはよろよろとソファーに座り膝に片肘をついて頭を抱えた。
「リヴァイ、早く行ってあげなきゃ」
「待てよ…ルーナ…行っていいのか?」
「行ってあげてよお願い。最期はあなたといたいんだよ。その気持ちは痛いほど分かる…」
そう言ってルーナはリヴァイの前にしゃがみ込んだ。
「メリッサの気持ちは…すごくよくわかるの。リヴァイだって分かるでしょ。愛する人と一緒にいたいという気持ちだよ…」
その言葉にリヴァイの目が開かれる。
メリッサに言ったことがあった。
愛するということは、自分のことよりも相手の全てを常に想い、優先し行動することなのだと。
メリッサは自分に恋はしていたが、愛していたわけではなかったはずだ。
けれどそれだと、今日のメリッサの行動の意味がわからなくなる。
「リヴァイ。行って。私は大丈夫だから。」
また大丈夫だと言うルーナは、
また大丈夫ではないかもしれない。
「ルーナ…」
「いいから。ほら早く。」
ルーナはリヴァイの腕を引っ張りソファーから立たせた。
「リヴァイ…今夜は一晩中1人で大丈夫。だからずっとついていてあげて。」
真剣な目をして言うルーナの瞳はまったくぶれることなくまっすぐにリヴァイの瞳を捉えている。
「・・・わかった。」
もうその一言しか言えなかった。
「行ってらっしゃい。」
抱き合うこともせずルーナはリヴァイをドアの外まで押しやると、また大丈夫だと表情だけで示して扉を閉めた。