Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第35章 心臓の一部
そしてエルヴィンがメリッサの手を静かに握った。
「君は、リヴァイを庇ってくれたそうだね。ありがとう。しかし君がこうして酷く体を損傷してしまった。申し訳ない。」
「…いえ…団長にまでお礼を言われることでは…ありません。私が勝手に…単独行動に走った結果…ですから…」
「いいや。君は聡く立派な兵士だ。リヴァイが我々にとって最も大切な存在なのだとよく理解している。おかげでリヴァイは傷一つなく無傷だ。
心から…君に敬意を…。」
エルヴィンは手を握ったまま深く頭を下げた。
「エルヴィン…そんな言い方はやめてくれ。こいつの命だって俺と同価だ。」
「いえわかってます…団長の言う…通りです。だから…よかった…」
メリッサは泣きそうな笑みを零しながらリヴァイの姿に安心したように呟いた。
そしてルーナは急いでクラムたち3人を呼びに走った。
最期は4人だけでいたいだろうと。
エルヴィンはそのまま団長室に戻り、リヴァイとルーナはリヴァイの部屋にいた。
「ルーナ…すまない…お前の部下全員無事に返す約束だったのに」
「あなたのせいじゃないよ。自分を責めないで。」
リヴァイの悔しそうな顔をルーナが優しく包み込んだ。
リヴァイはそのままルーナの体に手を回し、胸へ顔を埋めた。
「リヴァイが無事に戻ってきてくれてよかったよ…エルヴィンじゃないけど私だって…あなたが1番大切なの…」
残酷なことを言っている自覚はあった。
けれどそんなことは頭の片隅に追いやられるほどこうしてリヴァイを、リヴァイだけを待っていたのだ。
そのことを再確認するようにきつく抱きしめリヴァイの頭にキスをした。