Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第35章 心臓の一部
医者によると、やはりもう助からないということだった。
「本来なら即死でもおかしくはない。もしかしたら意識を取り戻す可能性もありますが、まだ生きてらっしゃることが不思議なくらいの状態です。余程なにか…お仲間か誰かに伝えたいこと、やり残したことがあるのでしょうかね…」
その医者の言葉は残酷なまでに皆の心を抉った。
そしてその医者の言っていた通り、数時間後にメリッサの虚ろな目が開かれた。
その時にはルーナ、リヴァイ、そしてエルヴィンがいた。
「メリッサ!メリッサ…意識を…取り戻した…!」
「ルーナ…さん…」
「メリッサごめんなさい…痛む?起き上がらないでね…」
メリッサは無傷だった頭をゆっくりと上げ、自分の体の状態を確認した。
そして薄らと笑みを浮かべる。
「不思議なことに…全く痛くないどころか…感覚すらありません…でも…見てください。ほら…右腕だけ…」
ふと視線を移すと、綺麗に無傷な右腕。
そしてその手首にはルーナがあげたお守りのバングルが嵌めてあった。
「これ…ルーナさんの…ふ…おかげ…かな…」
その言葉にルーナは顔を歪めて手を握った。
「ルーナ、悪いが場所を変わってくれないか」
エルヴィンに言われ、ルーナが頷いて退くと
近くの椅子をベッドの横に付け、そこにエルヴィンが座った。
優しい眼差しのエルヴィンがメリッサを覗き込む。
「だん…ちょ…」
驚いたような顔をして掠れた声で呟いた。