Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第35章 心臓の一部
それはメリッサだった。
仰向けにすると、無惨にもたくさんの木の破片が左肩や左腕に刺さり血塗れで、その上大火傷で服が所々破けている。
そして極めつけは、酷いことに背中から破片が貫通したであろう大きな傷跡だった。
「止血だ!早くしろ!!」
リヴァイの声に全員が顔面蒼白になり駆け寄ってくる。
ハンジとバリスとルパートは先程の巨人を絶命させた後で戻ってきた。
「メリッサ!!!!」
「嘘だろメリッサ…おい!!返事しろ!!」
クラムたち3人はわなわなと唇を震わせ何度も叫ぶ。
「くそ…重症だ…止血しきれねぇ…」
「私の失態だ。申し訳ない」
リヴァイとハンジが必死になって止血と緊急治療をしている。
メリッサは意識はないが、僅かに息はあるようで小さな鼓動が聞こえる。
「一刻も早く戻りましょう。ここにいては危険です」
モブリットの声と共に、リヴァイがメリッサを抱きかかえ荷台に乗せた。
なぜだ?俺を庇って?
リヴァイは先程起きた一瞬の出来事を頭の中で何度も反芻し奥歯を噛み締めていた。