Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第35章 心臓の一部
「くそ…調子狂う…」
リヴァイは平常心に戻そうと内心必死になりながらハンジたちの元へ向かった。
「あれ、リヴァイ大丈夫?若い子たちに囲まれてたけど虐められでもされてた?」
ニタニタとおちょくってくる休憩中のハンジを冷徹な目で見下ろしながら言う。
「あながち間違ってねぇかもしれんが…そろそろ再開するぞ。ここらの巨人は粗方片付けたし後はてめぇらの雷槍を終わらせろ。俺はとっとと帰りてぇ」
そして雷槍の最終実験が開始された。
「リヴァイ〜!頼むよあと一体だけ巨人を連れてきてくれ!」
「あ?無駄に馬鹿でけぇ木がさんざん生えてんだからそれを使えばいいだろうが。」
「いや、最後ちょっと試したいことがあるんだ!雷槍を打ち込む方向を変えたい。まだ試していない軌道があってね。それは動いている対象に使わないと実験にならないことなんだよ。そもそもうなじのー」
「わかったから待ってろ、めんどくせぇ」
そう呟いて今度は馬ではなく立体機動で勢いよく去っていった。
そうしてリヴァイが連れてきたのは予想外にもかなり大きな15mは超えているであろう巨人。
「ちょちょっと大きっ!えっ!デカっ!」
「てめぇ文句あんなら俺が殺っちまうぞ」
「ないない文句ない!むしろでかした!リヴァイ!!」
チッ、偉そうに…と言いながらリヴァイは方向転換して地面に降り立った。
「よっし!!行っくよーー!!」
ハンジが雷槍を持って目標の位置からそれを打ち込んだ時だった。
「あれ?やっぱりこの方向だと微妙にズレ…あぁ!!!!」
雷槍は巨人のうなじからズレ、頭の部分を通り抜けていった。
すかさずリヴァイが巨人のうなじを狙ってブレードを引き抜いた時だった。
「?!」
自分の体が勢いよく何かに押され体勢を崩す。
その瞬間、大きな木の幹にぶつかった雷槍がすさまじい音と共に爆発したのだと分かった。
そしてその爆風と高熱に巻き込まれるところを庇ったのは目の前に覆い被さる血だらけの兵士だと気づく。
「お…おい!!!」