Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第35章 心臓の一部
「俺はてめぇらが思ってるほど強くねぇよ。だが恐ろしいことに慣れってもんもある。俺はあまりにも多く異常なもんを見すぎちまってて、今では完全に異常な奴だ。自覚はある。だがそんな俺でもどうしても弱いマトモな人間の部分の俺が…出てくる時があるんだ。」
ある意味慣れよりも恐ろしいかもな…
そうつけ加えて水に口をつける。
「・・・そんなリヴァイ兵長が出てくる時っていうのはやっぱりルーナさんといるときなんですよね。ルーナさんも言ってました。兵長のそういう微かで誰も気づかない脆い部分を、自分が常に見逃さないようにしているんだって。」
サラが言ったその話は以前メリッサからも聞いていた。
自分のことをそんなふうに常に見ていてくれたと知れてリヴァイは心の底からルーナに感謝をし、そして一層愛おしく思った。
「でもきっとそれは…誰も気付かないんじゃなくて、ルーナさんの前でしか見せないんですよね。ルーナさんの前でしかそれを出せない…と言った方が正しいのか…」
「ルーナさんの前だからこそ、全てをさらけ出せるんですよね…」
サラとメリッサの呟きにカイルとクラムも納得したように頷いた。
リヴァイだけはそれが事実と自覚はあってもやはり少々気恥しさが隠せない。
「…お前らは俺を虐めるのが相当好きらしいな。」
眉間に皺を寄せ睨むような視線を送られ、4人は焦ったように苦笑いをする。
「いえいえ違いますよ!その顔で睨まれると怖いですって!」
「そうだっ!リヴァイ兵長の機嫌が良くなる話に変えましょう!」
「・・・あ?」
訝しげに目を細めるリヴァイをよそに4人は口々に喋り出した。