Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第35章 心臓の一部
「順調か?」
「うん!!それはもう滾るほどに!!リヴァイの方も順調だった?」
「…まぁな。それよりその雷槍は本当に不備はねぇのか?万が一のことも想定して今はあまり闇雲に部下に打たせるべきじゃねぇ。」
「大丈夫だよ!ちゃんと点検してるし!相変わらず部下想いだねぇリヴァイはっ!とりあえずここらでちょいと休憩しようっ!」
リヴァイは水を飲みながら、そっと木陰に腰を下ろし木に寄りかかった。
懐から1枚の絵を取りだす。
そこには降り立つように手を飛ばして微笑む天使のような美しいルーナがいる。
毎日机の上でそれを見ているはずなのに、壁外で1人これを見つめているとどういうわけかとてつもない切なさが込み上げてきてしまう。
しかし、それ以上にどうしようもないほどの愛しさが溢れ出てきて胸の内だけでは受け止めきれず、つい目を細めて顔を綻ばせてしまった。
「ルーナ…早く会いてぇ」
そう呟いて懐にそれを戻そうとした時だった。
「リヴァイ兵長っ!!」
名前を呼ばれ動きを止めると、腰掛けている自分の足元に数人のブーツのつま先が見える。
ゆっくり顔を上げていくと、ニコニコと笑みを浮かべる4人がこちらを覗き込んでいた。
「あのっ!休憩中申し訳ないとも思ったんですけど、リヴァイ兵長とこうして話せる機会ってそうありませんから!」
「なので!自分たちとお喋りしてくれませんか?!」
「・・・」
驚いたような表情で何と返答するか迷っているようなリヴァイを無視してそのままリヴァイを囲むように4人が座り出した。
「おい…俺はてめぇらと雑談することは許可してねぇぞ」
「ま、いいじゃないっすかそんなみみっちいこと言わないでくださいよ〜」
「俺たち、ほんっっとーに今日感激したんです!!リヴァイ兵長の討伐が凄すぎて…!」
「私たちにしてくれた指導もとても細かく分かりやすくて…あ!ちゃんとさっき急いでメモに取りました!」
「それに危険な時私たちを助けてくださってありがとうございました」
「・・・チッ。」
口々に捲し立てられ動きを止めていたことに気が付き、再度懐に絵を仕舞おうとした時
「あ!それはなんですか?!」
やはりすかさずカイルが指摘してきた。