Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第35章 心臓の一部
サラとメリッサの番になっても辛辣な指導は本当に容赦なかった。
「全てにおいて鈍すぎる。全く巨人の特徴が掴めてねぇ。大きさも腕や脚の長さもスピードも何もかもだ。さっきの巨人の目線は見ていたのか?そもそもメリッサ、お前がアンカーをあんなところに打ったせいでサラは上体を崩した。」
「…すみません」
「それから崩した方も崩した方でなぜ早くあの幹に飛ばない?なんのために立体機動があると思ってやがるんだ。サラ、お前のことだ。」
「はっはい!気を付けます…」
サラとメリッサは叱責を受けて小さくなる子供のように俯きながらも一生懸命目の前のリヴァイの話に耳を傾けている。
「だいたいあの巨人の足の速さからして距離感すら分かっていねぇようだったが、2人で挑むのならまず…!!!」
「?!」
リヴァイが突然2人を庇うように建物の壁へ押しやった。
2人纏めて壁ドンをされている状態になる。
「お前らはここにいろ。…来る」
「…え?」
突如リヴァイが背を向けたかと思えば瞬時に飛び移っていき、木の影からふらりと姿を現しこちらに視線を送る巨人の目を切り裂いた。
両手で目を抑えながら呻いているその頭に飛び乗ると勢いよくうなじを削いで絶命させた。
またもや全てが一瞬のことすぎたため、2人が声も出せないでいると、リヴァイは何事も無かったかのようにブレードを拭きながら戻ってきた。
「チッ、どこまで話したのか分からなくなった。お前らも雷槍の方へ移動しろ。見ておいた方が良いだろう」
ついてこい。そうつけ加えて歩き出すリヴァイに焦ったようについていきながら2人は赤らむ顔を見合せた。
リヴァイの何もかもが凄すぎる上に、乙女心をくすぐるような事までされてしまい、今の2人は頭がパンクしそうだった。