Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第35章 心臓の一部
「そもそもお前らはアンカーを刺す位置を誤りすぎだ。あんなところに刺して巨人にワイヤーを捕まれでもしたらどうする?それに飛んでる時にブレードを掲げる位置も低すぎる。だからああして巨人に掴まれた際に指1本切り落とせず身動きが取れなくなる。」
「・・・」
「お前ら…よく今まで生き残ってこられたな…」
何も言わずに唖然としている2人を、肩にブレードを置いてトントンと叩きながら冷徹な目で見下ろし最後にそう呟いた。
クラムとカイルはリヴァイの説明を頭の中でぐるぐると回想しながら固まっていた。
リヴァイはあんなに細かな状況判断を、毎回一体一体の巨人に対し一瞬で完璧に把握しているということだ。
しかも何体も同時にそれをこなしているのだから驚きを隠せない。
それどころか本当にリヴァイ兵長は人間なのか?!という疑問符すら浮かんでしまう。
正直さっきのリヴァイの分かりやすいはずの説明が、こんなに考えても半分も理解できていないような気さえする。
「どうしよう…俺、リヴァイ兵長を崇拝しちゃうかも…」
「あぁ。俺も…つーかもうすでに憧れ以上になってる…」
馬の手網を引いてハンジたちの元へ歩いていくリヴァイの背を見つめながら2人は神々しい何かを見るように目を瞬かせていた。