Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第35章 心臓の一部
リヴァイを挟むように斜め後方を馬で掛けていた2人は、ウルフに跨り颯爽と距離をとられるリヴァイに焦っていた。
「同じ馬なのにすげぇ早ぇ…なんだありゃ」
「このままじゃどんどん離されちまうぞ。そういえばリヴァイ兵長の馬は特別って誰かが言ってたな…」
「来たぞ!そのまま引き返せ!」
「「えぇっ?!」」
気が付くとリヴァイが2体の巨人に追いかけられていて、引き返してくるリヴァイにたちまち2人とも抜かれてしまった。
「遅いっ!!最高速度を保て!!」
「そ、そんなこと言われても!リヴァイ兵長早すぎますって!!」
何もかもが適わなすぎるリヴァイに2人は必死だった。
「お〜リヴァイ〜!!」
大きく手を振るハンジが見えてきたかと思えば今度は別の者が雷槍を構えている。
「メガネ!!一体はこっちが貰うぞ!!」
「おーう!!了解〜!!」
リヴァイが囮となり一体だけ離れた場所にうまく移動させた。
「てめぇら立体機動に移ってそいつを殺れ!!」
「「了解です!!」」
2人は急いでアンカーを放ち馬から離れた。
「まずは足を落とすぞ!」
「おう!」
2人同時に足を狙い、見事に巨人を転ばせることに成功した。
その様子をリヴァイはいつの間にか木の上から見下ろしている。
すぐさまカイルがうなじを狙おうと飛んだ瞬間だった。
突然唸り声を上げて腕を伸ばした巨人に胴を掴まれた。
「カイル!!!!」
クラムが叫びながらその腕を切り落とそうと巨人にアンカーを刺したとき、リヴァイが瞬時に腕を切り落とし既にうなじを削いでいた。
「カイル大丈夫か?!」
「うっ…あぁ。」
クラムの手を借りて立ち上がったカイルたちの前にストンとリヴァイが降り立つ。
「お前らはこの巨人の動きを最初からちゃんと見ていたのか?」
「…え?」
「この巨人は初めから右手を振り回していた。ならばそこに注意してからどこを狙うか定めるべきだろう。お前らは両足を先に狙ったがこの場合は違う。狙うべきは右足だ。そしてそれは1人でやるべきだ。もう1人がアンカーを打ち込み攻めるのだとしたら最初は左からだ。」
「・・・」