Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第35章 心臓の一部
そうして何体かの巨人を倒したあと無事に辿り着いた目的地はウォールマリア内の一角に位置する樹木の多い河原のある広い場所。
ここならば雷槍実験もできる上に立体機動装置も使いこなしやすい。
信煙弾を打ってからしばらくしてハンジたちが合流してきた。
「さっすがリヴァイ!一体しか巨人に会わなかったよ〜!」
「全員無事か?」
「大丈夫!無事無事!お陰様でみんな怪我ひとつないよ!そっちは?
・・・あれ?なんかみんな顔色悪いみたいだけど?」
汗ひとつかかず仏頂面のリヴァイ以外は皆顔面蒼白にしていた。
それは疲れ云々ではなく単純にこの世のものとは思えないほどの差があるリヴァイの戦いっぷりを見せつけられたからだった。
「こっちのことはいいから早く準備しろ。そしたらここへ巨人を連れてくりゃいいんだろ」
「うんうん!!よっし始めるよーーっ!!!」
ハンジの掛け声と共にいそいそと荷馬車から荷物をおろし雷槍の準備をして行った。
するとしばらくしてたちまち大きな足音が聞こえてくる。
「おいメガネ、お待ちかねの巨人がさっそくお出ましだ。とっととするんだな」
「えぇっ!!ま、待ってよっ!!よっよしっ…」
ハンジは雷槍を腕に設置しすぐさま立体機動で飛んで行った。
その様子を全員で息を飲みながら見守る。
ドッカーン!!!
凄まじい音がしたかと思えば見事巨人のうなじを一瞬で爆破させていた。
「「おおぉぉ〜…」」
全員の驚きを隠せない歓声を聞き、ハンジはこれでもかと言うほどぴょんぴょん跳ねてはしゃいでいる。
「よっし!!リヴァイ!!連れてきてくれえぇぇ!!もっとやりたいもっとやりたい!!」
「分隊長!はしゃぎすぎです!!」
「チッ、るせぇな……誰か一緒に来るか?」
そう言って6人の方へ視線を移したのと同時にカイルとクラムが手を上げた。
「はいはいっ!俺行きます!」
「俺も行きます!」
「…イキがいいのはいいが、死なねぇ工夫は忘れんなよ」