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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第35章 心臓の一部


そうしてまたしばらく進んだ時、一番後ろにいたルパートが声を上げた。

「なっ?!右斜め後方から来てます!兵長!!」


建物に隠れていたのかその巨人は獲物を見つけたように凄い勢いで後ろから追いかけてきている。

「チッ…全員立体機動に移って散れ!」

前方にいたリヴァイは全員を馬から散らすと、自分が囮になるようにその巨人の目の前まで飛んで行った。

その危険極まりない行動に全員が顔を強ばらせて息を飲む。

しかしそれも一瞬の事だった。
瞬時に巨人の目を横切るように切っていったかと思えばいつの間にかリヴァイはうなじにいてあっという間にそこを削ぎ落としていた。
しかしすぐに向きを変えると凄い剣幕でこちらに飛んでくる。

「おい!サラ!クラム!そこを離れろ!!」

「「え?!」」

急いで建物に乗り移った瞬間、自分たちの前に巨人の腕が降ってきていたことに気づく。

その腕を瞬時にリヴァイが切り落とし、すぐさま風のように消えたかと思えばあっという間にその巨人を絶命させていた。

ただ茫然と口をパクパクしている2人の元へ降り立つとリヴァイは冷徹な目で見下ろしながら言った。

「てめぇらは前ばかりで後ろの注意を怠りすぎだ。さっきは確実に巨人に掴まれてたぞ。今頃口に放り込まれてたかもしれん」

「すっすみません気をつけます!」

「ここから先も俺が常に守ってやれると思うなよ。状況判断を怠るな」

そう言いながらリヴァイは血の着いた薬指の指輪をひたすらハンカチで拭っている。
それを見ながら全員ただ顔を強ばらせ冷や汗を流していた。
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