Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第35章 心臓の一部
「へ、兵長!来てます!!左前方から一体!!」
「分かってる。全員ここで止まれ。俺の馬は任せたぞ」
冷静な声でそう言ったかと思えばリヴァイは馬の背の上で立ち上がり、ブレードを引き抜きながら凄い勢いで飛んで行った。
「「えぇ?!」」
まだリヴァイの討伐シーンを見たことの無い4人が同時に声を上げた。
なぜなら全てが一瞬のことすぎて目視できなかったからだ。
既に巨人は蒸気を上げて倒れており、リヴァイはまさに汚いものを見るような目でブレードを拭いている。
「おいお前らボーッとしてるなよ!リヴァイ兵長の所へ急ぐぞ!」
茫然と固まっている4人にルパートが怒鳴り、ようやく正気に戻る。
「ね、ねぇ、さっきの見えた?」
「いや、ぜんっぜん分からなかった」
「一体なにをどうやったんだろうね…」
リヴァイに合流してからも目的地を目指してそのまま凄いスピードで馬で駆け抜けていく。
しばらく行くとまた前方から二体の巨人が腕を振りながらこちらに向かってきている。
6人の背筋がゾクッとし一気に緊張感が走った。
「今度は二体か…お前らここでよく見てろよ」
リヴァイがそう冷たく言い放ったかと思えばたちまち馬の上からいなくなり、竜巻のような高速回転で2体同時に絶命させた。
「なっ…なんだよあれ…化けもんじゃねぇか…」
「ちょっ…と…何が起きたんだ今っ…」
追いついた全員は、目の前の汗ひとつかかず息すら切らしていない普段通りのリヴァイのその姿に開いた口が塞がらない。
バリスとルパートはそんな4人を後目に、どうだと言わんばかりの顔をしている。
「流石ですねリヴァイ兵長。もう三体も殺りましたよ。」
「だが目的地までまだある。一旦ここで信煙弾を打て」
「了解です!」
バリスが信煙弾を打つと、それを確認したようにハンジたちの方から同じ色の信煙弾が放たれた。