Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第35章 心臓の一部
壁外訓練開始前、ウォールローゼ壁門の前でリヴァイは今回の大まかな確認を行っていた。
今回2人以外に集まった兵士は全部で13人だった。
1人も集まらないと踏んでいた割には多くの人数だったため、きちんと作戦を練っておく必要がある。
「おい、てめぇメガネ!聞いてんのか!」
「ふふーっ…ふー…ふー…ひひっ」
荷馬車に載せた雷槍などをいつまでも興奮気味に弄っているハンジに、リヴァイは自分の声が全く届いていないと分かるやいなや、鋭い視線を近くのモブリットに投げた。
「ひっ…ハッ、ハンジ分隊長!ちょちょっともう〜!!」
モブリットに引っ張って連れてこられたハンジが全員の前に鼻息荒くもようやく向き直る。
「今回の俺の班はお前ら4人と、この2人。で、ハンジの雷槍組はモブリットとそこの6人。心変わりはしてねぇな?」
全員が頷くと、リヴァイは自分サイドとハンジサイドに人数を分けた。
そして、クラムたち4人と、元々自分の部下であるバリスとルパートに向き直る。
「作戦通り今から俺たちはハンジらの実験範囲を作っていく。それまでに遭遇した巨人は全て俺が片付けるから馬を降りたらなるべく固まって動け。もしも俺が気付かねぇ巨人がいた場合、応戦せずにすぐに俺に知らせろ。それが叶わない場合は逃げることを第一に考え決して無理はするな。いいな?」
「「ハッ!!!」」
リヴァイが馬で駆け出すのを後を追うようにして周りを伺いながら6人が着いて行く。
「ひ〜楽しみだなぁ燃えてきた!」
「おう。早くみたいな討伐シーン!」
軽口を叩くクラムやカイルにバリスが一喝する。
「お前ら本当に分かっているのか?リヴァイ兵長が粗方片付けたら信煙弾でハンジ分隊長に知らせ、その後に実験の邪魔になりそうな巨人共を我々が討伐する。それをリヴァイ兵長が援護しながら直々に指導してくださるんだ。ちゃんと指導してほしかったらお前ら兵長の足でまといにだけはなるなよ。」
「わかってますよぉ〜!」
クスクスと笑い合う4人を見て、バリスはリヴァイ兵長がこいつらを気に入らないのも頷けるなと深く溜息を吐いた。