Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第34章 ラベンダー畑の真ん中で
そのあとリンクが馬に乗ってみたいと言い出し、リヴァイが背後からリンクを支える形で馬に跨らせた。
ラベンダー畑をゆっくり馬で進んでいくリヴァイとリンクを眺めながら、ルーナとアリーは微笑んだ。
「アリーさん、リンクにもいつか絶対にこのラベンダー畑を見せてあげましょうね!」
ルーナのその言葉にアリーは顔を僅かに曇らせる。
「ルーナさん…そんな奇跡に近いこと、もういいのよ。角膜提供してくれる患者なんてそういないわ。棺に入れる時も眼球がないのよ。そんな惨いことを了承してくれる遺族なんて…」
「諦めてはダメですよ。だって…リンクはアリーさんのたった1人の大切な弟さんなんですよ?リンクはアリーさんのことも見たいはずです絶対。」
「…いいえ。弟じゃ…ないわ…」
アリーのポツリと言ったその言葉に、ルーナは唖然とする。
聞き間違いだろうかとも思い、押し黙ってしまった。
「リンクは…弟じゃないのよ。そもそも、こんなに年の離れた弟なんているわけないじゃない。あの子はまだ7つよ。私がいくつだと思って…ふふ」
上品に笑いながら乗馬を楽しんでいるリンクを見ているアリー。
確かにそうだ。とルーナは思った。
どうして気が付かなかったのだろう。
アリーは自分とリヴァイと同じ30くらいのはずだ。
7歳の子供を連れていたら、弟というより子供といったほうがむしろ自然だろう。
「えっと…アリーさんそれは…どういう…」
「あの子はね、私が買い取ったの。」
「え?」
「あの子は目が見えないから特殊な瞳の色をしているでしょ。おまけに顔が整っているからゲスい人間が高値で売り飛ばすのよ。闇社会ではこんなこと日常茶飯事よ。珍しいことじゃないわ」
「…そんな…」
ルーナは驚きを隠せない上に、なんと言っていいのか分からず沈黙した。