Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第34章 ラベンダー畑の真ん中で
そうして連れてこられたのはラベンダー畑だった。
全面が真紫のその空間にはリヴァイとルーナとそしてリヴァイの愛馬のウルフ1頭。
広がる青空はかつて水晶の中で見たような美しい陽射し。
漂っている心地の良い風はいつも自分たちを包み込んでいるあの香り。
「ずっと2人でここへ来たいと思ってたの」
静かに呟いたルーナの手を取り、歩みを進める。
この世界は美しい。
リヴァイは初めてそう実感できた気がした。
最愛の女が愛する世界と、
そして隣にその最愛の女がいれば…
他にもう望むものはないと心からそう思った。
「キャハハハハハ」
突然子供の笑い声がし、2人同時に振り向いた。
ウルフに顔を舐められている子供が嬉しそうに声を上げているのだと分かる。
そしてその隣で笑っている女性を見て唖然とする。
「アリーさん…」
ルーナが呟いたのと同時にアリーがこちらに気付いた。
目を見開いて言葉を失っているリヴァイの手をそのまま引きながらルーナが駆け寄る。
「アリーさん、リンク!」
「こんなところで…まさか…リヴァイまで…」
「アリア・・・」
掠れたように呟くリヴァイもアリーもなんとも言えない複雑そうな表情を浮かべている。
しかしルーナの明るい態度に徐々にその空気は飲み込まれていった。
「とても偶然ですね!リンクとお散歩ですか?」
「えぇ…そうなの。ここにはよく来るのよ私たち。」
「へぇぇ!私はここへ来るのは2回目で、リヴァイは初めてなんです。」
「ルーナ姉ちゃん?他に誰かいるの?」
リンクの前にルーナがしゃがみこむ。
「うん!いるよここに!私の旦那さん」
そう言ってルーナはリヴァイの手を引きしゃがませた。
リヴァイはリンクと目線を合わせるとジッとその焦点の合わない瞳を見つめた。