Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第34章 ラベンダー畑の真ん中で
翌日正午、呼び出されたリヴァイとルーナは団長室に来ていた。
「婚姻届は無事受理されたよ。で、約束のものなんだが…」
そう言ってエルヴィンは2つの鍵を出した。
それは2人の互いの部屋の合鍵だった。
「こんなもので本当にいいのか?私はもっとちゃんとした祝いの品を送りたいんだが…」
「いいのエルヴィン!ありがとう!」
心底嬉しそうに目を輝かせてそれを受け取るルーナと、その横でいつもの何を考えているのか分からない無表情のリヴァイ。
「まぁ2人を1つの部屋にしてやりたいのも山々なんだがな…互いの部下も出入りするだろうからさすがに執務室付きで分ける他ないから申し訳ないな」
「大丈夫大丈夫!私たち別にそんなの気にしてないし仕事以外はどっちかの部屋にいつもいるし」
エルヴィンは、ははっと笑いながらも納得した。
この2人は昔から、恋仲になった頃からもきちんと自分たちの立場を弁えている。
他の兵士を前にして男女の雰囲気を醸し出したり、嫉妬心や執着心をさらけ出したりもしない。
まさに大人として兵士として上官として、手本になるような恋仲だと思っていた。
そしてついにその2人の仲は夫婦となった。
「他にできることがあったらなんでも言ってくれ。私は君たちを心から祝福しているよ。今日はもう仕事はいいから2人でどこか出かけてきたらどうだ?」
「えっホントに?!やったぁエルヴィンありがとう!ほらリヴァイ行こうっ!」
「っ…おい、どこへ」
ルーナはリヴァイの腕を引っ張って足早に部屋を出て行った。
エルヴィンはフッと笑いながら窓の外を眺めて思った。
ルーナは随分と変わったな…
昔からあんな感じではなかった。
まるで別人のようだ。
昔から常に冷静沈着で、喜怒哀楽もそこまでなく不自然なほど大人びていた。
それが今は全くの正反対だ。
子供のようによく笑うようになったし、感情を表に出すようになった。
そして幼い頃から常に自分は彼女に引っ張られているような立場だったのに、今はその手を離されてしまったような気さえする。
しかし2人で交した夢を叶える約束だけはしっかりと根底にはあるようだ。
そのためにもリヴァイと共に最期までいたいのだろう。
エルヴィンは自分も最期の瞬間まで、2人の幸せを祈っていようと思った。