Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第34章 ラベンダー畑の真ん中で
その日の夜、いてもたっても居られなくてルーナはリヴァイの部屋にノックなしに飛び込んだ。
「ねぇねぇリヴァイ!ちょっとどうするの?!」
「あ?どうするってなんだ」
まだ仕事をしていたリヴァイは書類から顔を上げ、顔を強ばらせているルーナを見やると立ち上がってソファーに促した。
「なんだって…あの4人のことだよ!もしかしたら何かしでかすかもしれないじゃん」
「お前少し落ち着け」
リヴァイは紅茶をいれはじめた。
ルーナはそんなリヴァイの一挙一動を不安一色のまま見つめている。
ことりとテーブルに置かれた紅茶を手に取る気にはなれず落ち着かない面持ちでリヴァイを見るが、リヴァイは何食わぬ顔で紅茶を啜っている。
「ちょっと…なんでそんなに落ち着いているの?」
「お前こそ何をそんなに興奮してる。こんなの予想済みのことじゃねぇか」
「えぇ?」
眉にシワを寄せ、少し怒っているようなルーナを横目で見つめると、カップを置いて言った。
「あんな愚劣な奴らはそういねぇからな、絶対食いついてくると思ってた」
「な?!ほんとに?」
「あぁ。だが大丈夫だ。いくらあいつらでも壁外でどうこうできやしねぇだろ。むしろ巨人に食われちまうかもな…あのクソガキ共…」
ふっと笑って言うリヴァイにルーナは初めてリヴァイのことを恐ろしく感じた。
「ちょ…リヴァイ…やめてよ…それが目的だったわけじゃ…ないよね?」
顔を強ばらせて言うルーナの震える手を取ると、リヴァイはその手に嵌めてある指輪を指で転がした。
「んなわけねぇだろ。お前の大切なものは全て守る。それが俺の役目だ。」
優しく囁くように言うリヴァイに、ルーナは少しだけ顔を緩ませる。
そしてリヴァイのもう片方の手を取り嵌めてある指輪を見つめた。
「あの子たち…本当はすごくいい子たちなの…だから…」
「あぁわかってる。それに俺らはもう夫婦だろ。これ以上邪魔はさせねぇよ、心配するな」
そう言ってリヴァイが優しく啄むようなキスを落としてきた。
それだけでどうしようもなく安心できてしまう。
「一緒に風呂入って寝るか」
「うん」
もうここ最近は毎日こうだった。
兵舎内での夫婦生活は一見奇妙に聞こえるが、職場も生活環境も同じこのスタイルはむしろ2人にとっては最高に幸せだった。