Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第33章 恋と愛
「お前は1度だって俺の気持ちを考えたことがあるのか?独りよがりなのは愛とは違う。」
心にグサグサと何かが突き刺さっていく。
メリッサは痛み出す胸を服を掴んで耐えるように俯いた。
「俺もあいつにそれを教えられた…
人を恨み憎んだり疑ったりすることしかできなかった俺に、あいつは全てを教えてくれた。楽しいという感情も嬉しいという感情も、悲しみや辛さも、誰かを愛おしいと思う感情も失うことの恐ろしさも全て…あいつに出会って初めて知った。あいつのおかげで俺は…初めて少しだけこの世界が好きになれたんだ」
リヴァイはテーブルに置かれた指輪を薬指に嵌めながら呟くような声で静かに言った。
「俺はあいつのためなら命すら惜しくない。あいつがいなくなったら生きてさえいけねぇと思ってる。だが俺はあいつと誓ったんだ。お互い最期の瞬間まで生き抜こうと。それまでは心臓を1つにしていようと。
だからそれまでの俺らの時間を邪魔する奴は、誰であろうと容赦はしねぇ。」
そこまで聞くと、もうメリッサはなにも反論できなかった。
ただ生暖かい涙が頬を伝っていく。
間違っていたのは私だった、のか?
言われた通り、ただリヴァイ兵長に恋焦がれていた自分勝手な子供に過ぎなかった、のか?
そして…この2人の間に入る余地はどう頑張っても少しもなく、世界中どこを探しても誰もいないのだろうか、、
「・・・リヴァイ兵長…
ルーナさんもあなたと同じことを仰ってましたよ。愛とは自分のことよりも常に相手の全てを想うことなのだと…」
「・・・そうか」
「ただ、こうも言っていました。リヴァイ兵長は本当はとても繊細で弱い人間なのだと。あなたの出す弱い人間の部分はとてもかすかで誰も気づかず通り過ぎてしまうからルーナさんがいつもそれを見逃さないように、注意深く、深く常に目を凝らしているのだと…」
リヴァイは目を見開き、時が止まったように動かなくなった。
「私はもう行きます。でも…謝りはしません。あなたたちの仲をもう邪魔しないとも断言はできない…」
掠れた声でそう言い残し、メリッサは静かに部屋を出ていった。