Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第33章 恋と愛
ルーナはリヴァイの部屋を出て、まだ濡れた髪をタオルで拭きながら廊下を自室に向かって歩いていた。
すると、目の前から人影がこちらに向かって歩いてくる。
ここは幹部棟だから限られた人物しかいないはずなのだが…
この時間にここを歩いているとなればそれは間違いなく…
メリッサは目の前にいるのがルーナだと分かるやいなや、気まずい雰囲気を出すわけでもなくいつも通りの笑顔をあえて貼り付けた。
「こんばんは、ルーナさん」
「えぇ。おやすみなさい」
ルーナは笑顔でそのまますれ違って行った。
メリッサは笑顔が崩れ、目を見開いてしまった。
ルーナがあまりにも大人の対応すぎたからだ。
すれ違いざまにふわりと鼻についた、リヴァイと同じ石鹸の香り。
明らかにリヴァイの部屋から風呂上がりで出てきたのだろうという出で立ちで、更には冷静沈着なその態度。
今から自分がリヴァイの部屋に行き、2人きりになることを確実に知っているはずなのに、全く気にする素振りもなく気まずそうにするわけでも、ましてや咎めたり止めたりするわけでもなく…
普通にさらりと通りすがっていってしまった。
メリッサはそんなルーナを見て、
あまりにも自分が文字通り "相手にされていない" のだと分かった。
悔しいような切ないような悲しいような、なんとも言えない複雑な感情が込み上げ、奥歯を噛み締め身体を震わせる。
そして強く拳を握ってリヴァイの部屋の扉を叩いた。