Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第32章 心臓■
深い口付けを交わし、そして火照った顔で互いを見つめ合う。
リヴァイがルーナの頬に左手を這わせ、その手をルーナが握った時、あることに気がつく。
「あっ、リヴァイ、そうだ!指輪を返さないと!」
風呂から上がり、ポシェットの中を見るがどこにも見当たらない。
ルーナの顔はみるみる顔面蒼白になり、中身を全て取り出すがそれでもリヴァイの指輪が無くなっている事実に困惑する。
「ない!…え…なんで?!うそ?!」
「・・・」
「どうしようリヴァイ…落としちゃったのかな…もぉ嘘でしょぉぉおおお!!!!」
「どこかでバッグの中身を出したか?」
「御手洗でハンカチを取り出した以外は出してない…
本当は私がお会計しようと思ってたけど潰れてしまったからあの子たちが済ませちゃったみたいだし…だから財布とかも出してないし…」
酷く落ち込み頭を抱えているルーナを一先ずベッドに座らせたリヴァイは至極冷静な顔だ。
ルーナはリヴァイにキレられることを予想し、心から謝罪をしようと頭を下げた時だった。
「あいつだな。」
「・・・え?」
ルーナが頭を上げリヴァイを見上げる。
「メリッサの野郎だな。指輪を盗んだのは。」
「・・・は?」
ルーナの顔が強ばりだすが、リヴァイはいつもの冷たい愛想のない顔を貼り付けたまま言った。
「お前のバッグを最後まで持っていたのはあいつだ。お前が外のベンチで寝てる時もクラムとかいうガキに抱き抱えられてる時も、カイルとか言うクソ野郎が俺に喧嘩売ってる時も、それを持っていたのはメリッサだ。」
「えっ・・・でっでもメリッサがなぜそんなことを…」
「あいつらのことだ。何をしでかしてもおかしくはない」
そんな…と言いながらまだ信じられない様子でルーナが頭を抱える。
「ていうか…カイルが喧嘩売ったって…どういうこと?」
「そんなことはお前が気にすることじゃない。それより明日俺がメリッサに問いつめてやる。あのガキ共…舐めやがって」
舌打ちをしながらベッドに横になり、ルーナの体を引き寄せると布団の中で強く包み込んだ。