Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第32章 心臓■
「ど、どうしたのリヴァイ?」
ルーナは突然恥ずかしい体勢になり、真っ直ぐと真剣な目で見つめてくるリヴァイに赤面しながらキョロキョロと視線を泳がせた。
「こっちを見てくれルーナ」
頬に手を這わせられ、ルーナがリヴァイの憂いを帯びた鋭い三白眼を見つめる。
真剣なようにも少し怒っているようにも見えるリヴァイの表情。
ルーナにどことなく緊張感が走る。
「ルーナ…お前は…俺の事を愛しているか」
「っ…なっなぁに?今更っ…愛してるに決まってるでしょ。」
「・・・」
「どうしたの?」
恥ずかしがっていた様子のルーナが突然真顔になる。
「俺は生まれた時からずっと…自分が価値のある人間だと思ったことはなかった。クソみてぇな世の中にうんざりしてた。死ぬことも怖くなかった。でもお前が俺に居場所を与えてくれて俺に生きる意味をくれて、俺に価値をつけてくれた。」
「・・・」
ルーナは僅かに眉をひそめ、目の前の刹那そうな表情のリヴァイをジッと見つめる。
「お前がいたから俺は今こうして生きているんだ。
…俺は気付いた。俺は…お前に出会ってお前を愛するために生まれてきたんだと…」
「っ…リヴァイ…」
「どんな世界でもお前がいるなら生きたいって思えるんだ。」
リヴァイはルーナの手を取り、自分の心臓に置いた。
そしてリヴァイの手はルーナの心臓に置かれる。
トクトクトクトクと鼓動するそれは互いの愛する者がきちんと生きているという事実を理解させる。
「この心臓はお前の物なんだよ、ルーナ。そしてお前のこの心臓も俺の物だ」
「…うん」
「いつか終わるって分かってる。永遠なんてないんだと…
でもそのいつかが来ても俺は…最期の瞬間までこの心臓を1つにしていたい」