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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第32章 心臓■


どうしようもない不安感が今更になって襲ってくる。
ずっと目を背けてきた、愛する者を失う怖さだけじゃない。
愛する者が傷付く怖さ、そして自分が傷付く怖さでもない。

それは初めての、"奪われることの怖さ" だった。


今までだってシンという存在に嫉妬していたことはある。
けれどその時はお互いが自ずと距離を置いていたし、そして確かにルーナはシンの女だった。
自分にもアリアという存在がいた。

あのときは自分の心に嘘をつく余裕があったのだ。
暴れる心を諦めさせる余裕、自分が隣にいてはいけないと錯覚させる余裕があった。


けど今は違う。


俺の心はもう完全にルーナに支配されている。
この身も魂も全てルーナ同然だ。

何をしている時でも頭の中にはいつもルーナがいて、
何をしている時でも彼女に助けられ、
何をしている時でも彼女の幸せを願ってる。

彼女が傷付けば自分も傷付き
彼女が幸せなら自分も幸せになる。



残酷で地獄みてぇなこの世界で
生きてる意味も分からずに
それでもなぜか死に物狂いで生きてきた俺に
ちゃんと生きる理由を与えてくれたのはルーナ、お前だ。

生きる場所を与え、生きる希望をくれた。


誰かを本気で愛するということも
共に生きる辛さや寂しさ恐怖も
全部お前が教えてくれたんだ。


いつ死が俺らを分かつともわからない。

けれどその間に俺はできる限りのことをしてやりたいし、自分の全てをくれてやりたい。
そして最期の最期までお前と一緒にいたいんだ。
俺だけの女として。そしてお前だけの男として。




「…なぁ、ルーナ…」

「ん?」

リヴァイは突然ルーナの身体を持ち上げ、クルッと自分に跨がせた。
リヴァイの膝の上にルーナが跨り、湯の中で対面する形となった。
ルーナの両手がリヴァイの肩につく。
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