Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第1章 変革の一翼
その馬はあっさりと目の前にいるリヴァイの差しのべる手に頬を寄せ擦り寄っていた。
「なんだ」
目を丸くしていたルーナにリヴァイが睨みを効かせて問う。
ルーナはその馬のことを説明すると、リヴァイは「そうか」とだけ言い、
綺麗な馬のたてがみを撫で、目を細めた。
ハッ
ルーナは息を飲んでつい口に出してしまった。
「そんなに優しそうな顔もできるんだね。」
「...あ?」
「あーもう元に戻っちゃった。」
クスクスと笑うルーナにリヴァイはチッと舌打ちしながら、
「こいつ、名前は?」
たてがみを撫でながら目線だけこちらに向けて言った。
「ウルフって言うの。ほらそこのたてがみのところ、一部だけ白銀でしょ。まるで狼のように。」
リヴァイは再び馬に視線を戻す。
確かに、ひと束だけ綺麗な白銀の毛が光っていた。
「ふふ、綺麗でしょ。でも私の馬とは少し反りが合わないみたいで...仲悪いんだよね...」
どういうわけか自分の愛馬とは反りが合わないウルフ。
近づけただけで、どちらともなく荒れ狂ってしまう。
それもあって壁外遠征などで馬を出す時には互いを離れた位置に配置するか、ウルフを置いていくか等して、極力近寄らせないようにしていたくらいだ。
寂しそうな顔をしてウルフを見つめていたルーナに、リヴァイは言った。
「あんたの馬も見せてくれ」