Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第31章 恋の法則
「おい、あれはルーナじゃねぇか?」
兵舎の近くまで来ると、私服の5人の姿がある。
正門近くの一番端のベンチに上着をかけられたルーナが寝かされ、その隣にサラが座っている。
そしてメリッサがルーナの頭の近くにしゃがみこみ、その近くでカイルとクラムがなにやら会話をしているようだ。
「あのバカ、結局酔い潰れやがったのか…」
「飲み会でもしていたのか?」
「そうだ。部下のガキ共とな」
「ひとまずお前は、ルーナさんが起きるまでここにいろ。2人きりの方がいいだろ。」
「あ、あぁ。でもとりあえず移動してもいいか?ここだと正門にも近すぎて人目につきやすいだろ」
「…確かにそうだな。」
カイルが頷くと同時にクラムがルーナを横向きに抱き抱え、踵を返した時だった。
近づいてくる2つの影。
つかつかとこちらに向かってくるのはエルヴィン団長とリヴァイ兵士長だった。
4人は信じられないものを見るかのような目をし、一気に緊張感を走らせる。
しかも目の前に来た2人はいつもと服装が全く違う上にリヴァイに関していえば髪型が違すぎて、そしてそれが似合いすぎているのだから尚更目を丸くした。
サラとメリッサは顔まで赤くしている。
思わず固まってしまっていた4人だったが、両手塞がりのクラム以外は急いで敬礼をしようとした。
「あぁ、いいよいいよ。飲み会は楽しめたのかな?」
エルヴィンの柔らかな声に4人の緊張感が僅かに和らぐ。
「はっ、はい!」
サラの声が少々上擦った。
リヴァイはというと、ものすごい睨みを効かせた形相で腕を組みながらメリッサとクラムのみを交互に睨んでいる。
「そうか。それはよかったね。で…君が抱えているそのルーナは…まさか酒に潰れているのかい?」