Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第31章 恋の法則
「にしても…ルーナさんて本当に酒に弱いんだなぁ」
「まぁ確かに。飲んだのはグラス1杯なのにね」
カイルとサラの視線がルーナに注がれる。
ルーナは酔って眠ってしまったままクラムに背負われ、背中にはクラムの上着がかかっている。
ルーナのポシェットはメリッサが肩からかけていた。
「おいどうすんだ?これは作戦通りじゃねぇだろカイル」
「…まぁ、ちと予定が狂ったな。まさかこんなに早く潰れられるとは思ってなかった。しかもリヴァイ兵長のことも見当違いなことしか聞けなかったしな…なぁメリッサ?」
「うん…兵長の好きな物とか趣味とか興味あることとか結局よく分からなかったね…」
メリッサが残念そうに呟くと、カイルがため息混じりに言った。
「もう1軒行く予定だったが仕方がねぇ。こっからはこのまま作戦を遂行するぞ」
「ちょ、ちょっと待てカイル!ルーナさんの話をあそこまで聞いて俺はなんだか今日は…もういろいろ無理だ。」
「いろいろ無理ってなんだ!初めからお前がルーナさんを介抱するって予定だっただろうが。宿の予約も取っちまってるんだぞ!」
カイルが歩みを止めてクラムを睨む。
「…悪いが…お前とサラで使ってくれよ。俺はルーナさんを連れてこのまま兵舎へ戻る。」
クラムはルーナをおぶったまままた歩き出した。
悩ましいような切なそうなその表情に、カイルは諦めたように
「なら予約取り消してくるからここでちょっと待ってろ。兵舎へ戻る時は4人一緒だ。」
そう言うと1人で宿の方へ行ってしまった。
立ち尽くしている3人にはなんとも言えない気まずい空気が流れる。
「ねぇ…クラム、本当にそれでいいの?」
メリッサが静かに言った。