Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第30章 本物の愛
「リヴァイお前…とても良い感じじゃないか…いつも以上に男前だぞ」
エルヴィンがリヴァイの髪型を見ながら機嫌良さげな声を出した。
「ルーナに勝手にいじくり回されたんだよ」
「っ…ずるいぞリヴァイ…今度私もやってもらおう」
馬車の中で不機嫌そうに腕と脚を組み視線を落としているリヴァイにエルヴィンは言った。
「リヴァイ…お前の非番の日なんだがな…」
「あぁ。どうせ夜会の後に回されるんだと思ってたさ」
「すまないな。今夜が終われば会議以外の日ならいつだっていい。だが1つ条件がある。それだけは受け入れてくれ。」
「…条件?」
真剣な目付きのエルヴィンの視線とリヴァイの鋭い三白眼がぶつかる。
「お前がどうしてもその日壁外へ行きたいというのなら、そのときだけでもやはり部下の1人くらいは連れて行ってくれ。」
「あ?だから足でまといなだけだと言ったろう」
「どう考えてもお前一人で行かせるわけにはいかん。事後報告も必要だしお前の万が一の事態も考えてのことだ。それからお前の巨人討伐手本を見せてやる良い機会でもあるだろう」
エルヴィンはハンジにもやはり"過呼吸を起こしたらどうするんだ"と一人で行かせることに反対されていた。
「だが俺はそのとき部下の命に責任がとれない。どうなっても知らんぞ。俺はただ巨人を殺りにいくだけだ」
「あぁ。それでもいい。それを承知でお前の討伐を間近で見たい兵士は居るはずだ。お前に付きっきりでそれが見られるんだ。そんな機会はなかなかないからな。」
エルヴィンは分かっていた。
きっとリヴァイはどんな状況になろうと部下の命を守るだろうと。
リヴァイの監視目的もあるが、その部下が少しでもリヴァイの動きを目で盗み士気を上げてくれたら一石二鳥だ。
そしてリヴァイが目的通り巨人を殺しまくり、抱えている心の内を発散してくれたら一石三鳥いや四鳥だ。