Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第30章 本物の愛
「…そうだ。これはお前が持っててくれ。」
そう言ってリヴァイは薬指から指輪を外しルーナの手に握らせた。
それを見るルーナはなんとも言えない寂しそうな顔をしている。
しかしルーナは何も言わない。
「おい早くお前も仕度しろ。ガキ共と飲みに行くんだろ」
「あっ…うんそうだった。」
この状況は、もしも以前の自分たちだったら考えられないことだと互いに思っていた。
指輪を外し恋人を取り残して夜会へ行く。
相手が気に食わない異性たちと飲みに行く。
それをお互い何も言わずに送り出すこの状況はまさしく、大人になりそして心から信用し合っている本物の愛を育んだ2人の結果だった。
しかし心の底から互いのことが心配なのは変わらない。
「いいか?お前は酒に弱ぇんだから飲みすぎて気失うなよ。あとあのガキ共には充分気をつけろ」
「わかってるよ。リヴァイこそ気をつけてよね!酒と貴婦人に溺れないように」
「馬鹿か。俺をなんだと思ってる」
リヴァイはそう言うとルーナに軽いキスを落とした。
「俺はお前に溺れてもうとっくに出られなくなっちまってる男だ」
耳元で囁くとルーナの頭をくしゃくしゃ撫でた。
「…っ…私待ってるね」
「俺の方が早ぇかもだぞ」
「だっ…だめだよ?途中で投げ出してきちゃ」
「わかってる」
リヴァイはそれだけ言うと一瞬眉を顰めて心配そうな視線を向け、そのまま部屋を出ていった。