Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第30章 本物の愛
「おいもういいだろ、早くしねぇか」
「うぅーん…これだとやりすぎか…あーでも…」
ルーナはリヴァイを鏡の前に座らせ、夜会用に髪をセットしているのだが、あれも違うこれも違うと言いながら随分長いこと経っている。
「間違ってもエルヴィンみてぇな髪型にはすんなよ」
リヴァイは自分のヘアスタイルがあれこれ変わっていく様を不機嫌そうに腕を組みながら眺め続けていた。
そろそろ痺れを切らしてきている。
「いつまで俺の髪で遊んでるつもりだ。もう何だっていいだろこんなの」
「あぁっダメ!動かないで。今集中してるの!」
「・・・」
リヴァイはため息を吐きながら目を瞑った。
滅多にないタキシード姿だし、せっかくならそれに似合う髪型を私が作る!
と言って聞かないルーナに渋々折れたのだが、あまりの優柔不断さに呆れ返っていた。
しかし思っていた以上のバラエティの豊かさに、自分の髪型は少し手を加えるとこうもコロコロ変わるのだと言うことに内心驚いているのも事実だ。
「きゃああぁーー!!!ひぃぃっ!!」
「なんだどうした!」
突然おかしな奇声が響き、まさかとんでもねぇ失敗でもしちまったのか?!と肝を冷やしながら目を開いた。
「どーしよーリヴァイ〜!!あ〜!!」
「あぁ?」
鏡の前の自分は髪をかきあげられ、前髪が2本ほど額にかかっている。
ツーブロックのオールバックスタイルといった感じでとくにおかしいとは思えない。
「リヴァイをかっこよくしすぎちゃったよぉ〜!!くぅ〜!!これはっ!やばいってぇぇ!!!」
顔を赤らめ足踏みしながらあたふたしているルーナから険しい顔でブラシを取り上げるリヴァイ。
「ならもう終わりだ。」
「えぇっ!ちょっと待って!かっこよすぎて危険だって!」
「あ?ならどうするつもりでさんざん俺の髪をいじくりまわしてやがったんだ」
「そっそれはもちろんリヴァイをかっこよくするためだけどぉ…でもなにやってもかっこよくなりすぎちゃうんだもん…」
しょぼくれるルーナの顎をすくい、まっすぐ見つめると一気にルーナの頬が赤くなった。