Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第30章 本物の愛
布団の中は真っ暗でお互いの顔が見えない。
その代わり、布団の中で互いの顔をずっと弄り回した。
聞こえる微かな息遣い、暖かい温もり、優しい指先、
そのどれもが目の前の愛しい存在を再確認させてくれた。
「私たちいい歳なのにイチャイチャしてるね…」
ルーナが笑いながら言うとリヴァイが額にキスをした。
「嫌か?」
「ううん。ずっとこうしていたい」
今までの複雑なわだかまりは表面上は消えているように思えた。
けれど2人とも頭の片隅ではやはり考えてしまうのだ。
それはもちろん相手への想いが強すぎるが故に。
とくにルーナに関してはその想いが強かった。
リヴァイにまた傷や痣をたくさんつけてしまった。
落ち着いて思い出そうとしても、そのときの情事の記憶が断片的だったりするのもとても苦しい。
そしてなにより、それを何ら気にしていないどころか自分のことよりもひたすらルーナのことを心配してくるリヴァイを見ているのがどうしようもなく辛かった。
気にするななんて言われて本当に気にしないほど私は異常者ではない。
「リヴァイ…」
「ん?」
「好きって言って…」
「…好き」
全く感情の籠っていないような無機質な声で即答され、ルーナは頬を膨らめた。
「もおっ、もっと感情込めて言ってよ!」
「俺は好きよりももっと上の言葉を言いてぇな」
「じゃあ…大好き?」
「もっと上だ」
「…愛してる?」
「もっと上」
「・・・」
押し黙って考えるルーナをリヴァイがギュッと包み込んだ。
「どうやって伝えりゃいいんだ俺は…」
消え入るような掠れた声が耳にかかる。
「教えてくれ…どうすれば俺のこの想いは伝わるんだ…」
「リヴァイ…私も…同じだよ…」
リヴァイの抱きしめる力がさらに強まる。
ルーナはそんなリヴァイの背中に手を回した。
「言葉でも体でも伝えきれねぇんだ…だから苦しい」
抱えきれないほどのこの大きすぎる愛はどうやったら相手に全て伝えられるのか?
お互いこんなことを悩んだのは初めてだ。
けれどすこしでも伝えたい…その想いと共に激しい情事に溺れて行った。